そしてハンニバルへ・・・
ネタバレ注意!!
羊たちの沈黙に心底惹かれたので、楽しみにしていましたハンニバル。
あれのその後を描くのは難しいかなと思いつつも、博士のその後が見れるのは嬉しい。
前知識無しで見ました。
なんだかいろいろ残念でした・・・。
私が思う一番の原因は、クラリスのキャラが変わったことだと思います。
ハンニバルのクラリスには「儚さ・弱さ・あどけなさ」が足りない。
クールで真面目なのはいいけど、あまりにも強そうすぎる。
現場の男たちを弾き飛ばすパワーがあって、可愛げがあまりない。
クラリスは体力もあるし知力もある凛々しい女性だけど、
背の高い男たちに囲まれるだけでなんとなく落ち着かなくなるくらいのか弱さ・儚さがあったと思うんです。
私はクラリスの、その弱い部分がとても好きだった。
それにレクター博士がクラリスに興味を持ったのもその部分なのではないのかな?
気に入ったもののためにボランティアをするとは作中言ってましたが、しっくりきません。
前作の流れで「ほら、あの二人仲よかったでしょ?」と納得させようとしてきますが、ほら、クラリス違う人ですし。。。
弱さが見え隠れする前作のクラリスなら、彼女のとまどいも見たい興味もあってやりそう。
彼女の意思の硬そうな真っ直ぐな瞳が揺れるのはとても楽しいだろうと思う。。。
それにしても、レクター博士が優しすぎて気持ち悪いのはなんでしょうか。
電話に喜び、手紙を出し、プレゼントをし、クラリスを困らせる男を殺す。
レクター博士のクラリス愛の濃さに関しては、作者の思いが乗りすぎたのかな?
・・・でもまあいい。
博士のキャラ自体は変わっていないから、「実はそうだったのかな、説明がないけど」と納得出来ます。
愛なのか共感なのか、二人が通じ合ってしまう感情はなんなのでしょうか。
明確に描かれるとなんだか薄っぺらく感じる。
見た人の判断に委ねられる関係は、とてももどかしくてセクシーだった。
原作は全く違う結末というのを読んだので、とりあえず原作を読んでみようかなと思っています。
作者がジョディを頭に描きながら書いたというコトですし、私もあのクラリスの姿を描きつつ楽しんでみます。